類は友を呼ぶは『ことわざ』を超えた『科学』である
現実世界の出来事でも仮想世界でも『脳』は反応しホメオスタシスが働く
私は、ビジネスをするうえで『文句ばかり言う』『批判的なことばかり言う』人とは付き合わない方が良いと思っています。その理由を脳科学の観点から説明する文献を見つけましたのでご紹介したいと思います。
人間には、ホメオスタシス(恒常性維持機能)というものが備わっている。
これは、生物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことであり、生物のもつ重要な性質のひとつで、生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態を一定に保とうと、無意識レベルで活動するものです。
外部からの環境因子によるものといえば『暑い時に出る汗』がわかりやすいです。外気温が上がると、その情報を全身の神経が認識し脳へと伝えます。すると脳からは『発汗せよ』という指令が下り、皮膚から汗が出てきます。
これは、脳内で外界の気温が上がったという内部表現の更新と、それに合わせた生体を望ましい状態に維持するための内部表現の更新によって、ホメオスタシスが生体を安定的な健康状態に保とうと反応していることを意味します。
では、内部の環境因子によるものとはどういったものでしょう。簡単に言うと『心』の変化に伴うもの。つまり、小説や映画と言った仮想世界についても『ホメオスタシス』が適応されることを意味します。
悲しい映画を見れば脳内の内部表現が更新され『涙を流せ』と指令を出す。怖い映画を見れば『心臓の鼓動を早くすれ』と指令を出してしまうといったことです。これは誰もが体験していることではないでしょうか?
ホメオスタシスの同調
ホメオスタシスにはもう一つ大きな特徴があることがわかりました。 それは『ホメオスタシスは他人に同調する』ということです。
例えば、二人の人間が長い間一緒にいると、自然とホメオスタシスが同調してきます。意識していなくても、勝手に呼吸や心拍のリズムが同じになるのです。女性同士が同居した場合などは、二人の生理周期か一致したりもします。不思議な現象ですが体験したことのある女性は多いのではないでしょうか。
脳機能学者である苫米地氏によると、人間は強い人の信念に必ず同調されて引き込まれてしまうそうです。たとえば片一方の人が病で、もう片一方の人が健康だと、半分健康半分病を分け合うようになってしまうそうです。
ということは、片一方のうち信念が強い方、ここで仮に『病気の人』の方が病に対して『自分は病気だ。具合が悪い。この病は治らない』などといった強い臨場感を持って生活をしていたとしたならば、もう片方の人も病気に引き込まれてしまうということになるわけです。
類は友を呼ぶ
~自分の周りを見てみると自分がわかる~
気の合った者や似通った者は自然に寄り集まるという意味のことわざ『類は友を呼ぶ』は、まさしくこれを意味します。もはや『ことわざ』を超えた科学です!
つまり、負のエネルギーを放つ『文句ばかり言う』『批判的なことばかり言う』人と一緒にいると、引き込まれ、同調してしまうということになるのです。
起業家にとって負のエネルギーを使うことほど無駄なエネルギー消費はありません。やらなければいけないことが山ほどあるのです。
文句ばかり言って自分は何もしない。そんな人を見ていると自分もその人に対して文句を言いたくなりますよね。負のエネルギーに引き込まれ同調している証拠です。精神衛生上よくありませんのでさっさと付き合いをやめましょう。
逆の方向から考えると、今自分が置かれている現状を観察するには、周りの友人や仕事仲間などを見てみれば良いのです『自分を映す鏡』であると認識してください。
他人に同調していては起業家として上手くいきません。『脳』の仕組みを理解し、自分があるべき姿をリアルに想像することで、自分に合った友人や仲間を同調させていきましょう。